
ハイドロプルーフ®は風害、塩害、凍害防止など表面保護は基より中性化の抑止。エフロの防止環境改善を目指し研究開発致しています。
ハイドロプルーフは遡ること1985年より多くの場所、新築工事、改修工事または歴史的文化財の補修作業と多種多様な現場に採用されてきました。近年、浸透性吸水防止剤であるハイドロプルーフが再び注目を浴びてきております。特にコンクリート中で反応した成分が新たに発生したクラックからの浸水により再び反応を繰り返し止水効果があるからです。さらに表面保護を目的としたWPシリーズ、シビルトラスト、ヘリテージの発売以来、施工範囲や施工用途が拡大され海外においても注目されるようになりました。
ハイドロプルーフはケミックス社の商標登録製品です。
浸透
表面張力が水の半分以下のハイドロプルーフ成分が水よりも深く浸透し、徐々に安定生成物に変化します。
反応
浸透したハイドロプルーフは、コンクリート内部の遊離アルカリや、骨材中の無定形シリカと反応し徐々に水隙や空隙内で非水溶性無機化合物となります。これによりエフロレッセンスの予防や抑止効果になります。
保護
コンクリート劣化の大きな原因とされている中性化は、主としてコンクリート中の遊離アルカリの炭酸化または、酸性化によるもので、この作用は主として炭酸ガスと水によって促進されます。吸水を防止し、基質中の遊離アルカリ安定物質に変えることで中性化を防ぎます。既に中性化が進んでいるコンクリートに高アルカリ性のハイドロプルーフを処理すると、アルカリ度が回復します。
防水
浸透したハイドロプルーフHTシリーズによりコンクリート内部で化学反応を起こし、結晶強化されたコンクリートをハイドロプルーフWPシリーズやヘリテージにより撥水効果、親水効果と表面保護防水を致します。
耐久
ハイドロプルーフで処理されたコンクリート・石質は、緻密な保護層によって防水し、さまざまな劣化の原因を排除し建造物の耐久性、安定性を大幅に向上させます。
HT−SP
コンクリート中に素早く深く浸透し、間隙内で非水溶性無機化合物になる。エフロの抑制、防止、中性化抑止、回復による鉄筋爆裂の防錆剤としての効果や水性、油性の仕上材の下地強化となる。
HT−HX
ヘアークラックの止水効果、タイル目地への止水効果。煉瓦のエフロ防止、表面の質感を変えず撥水性効果。
HT−GT
表面の質感を全く変えず超撥水性に優れ防カビ、コケ防止対策に最適。SPとの併用は更に躯体内を強化する。
ハイドロプルーフ相関図

製品の概要
HTシリーズ
現在、HT-SPは中性化の抑止剤または改質剤として最も信頼できる材料です。無機質溶液からなる高反応性触媒は透明で非造膜性、非黄変、非溶剤の各種コンクリート石材に対する浸透・反応性、劣化・吸水防止剤です。コンクリート、石材中の遊離アルカリ反応をさせて、コンクリート内部の空隙を疎水性無機質で充填し恒久的なシーリングと防湿性をもたらす。従ってコンクリートの強度も増しエフロレッセンスは破砕に対する耐性も高める。
シビルトラスト
シビルトラストはHT-SPの反応性の特徴とWP-GSの高弾性保護防水剤として特性を追求し、クラック部への止水防止、防水効果と2工程の作業を1工程にし立体防水を実現しました。特に養生のできない現場、埋め戻してしまう箇所、仕上げより防水機能を重視した現場に最適です。土木の現場や店舗内の漏水など、工夫次第で施工範囲が広がります。
WPシリーズ
水性高弾性表面保護防水剤として開発され、クラック部への止水防止、木部の防水から天然石材、文化財の補修保護まで高弾性の特性が風害、塩害、凍害から表面を保護します。HT-SPで反応終結した躯体をWPで保護することにより、強度、耐久性共大幅に向上します。また、材料の組み合わせにより変化をもたらせた表面処理が出来ます。
ヘリテージ
中国北京の歴史的石物建造物、故宮博物院(紫禁城)の改修保護材として暴露試験を受けることが出来ました。この地でヘリテージは産声を上げました。長期に亘って保護機能を有し質感に変化をもたらさない条件や氷点下での施工が可能なことなどに答えてまいりました。ヘリテージは石造物にもっとも効果的に保護防水致します。凝灰岩から花崗岩、柔らかい石から硬い石まで深く浸透し長期的に亘り防水保護機能を有します。
ハイドロプルーフの容量・荷姿
高弾性(最大300%)によりヘアクラックや構造クラック等のひび割れについても十分対応します。

ハイドロプルーフの特長
- コンクリートの中性化抑止
- 文化財の補修と保護
- レンガ造りのエフロ防止
- 石表面の保護防水と基質強化
使用量(対コンクリートまたはモルタル)
使用量(ヘリテージ)
特質・性能/1回の塗布で下記の効果があります。
- 防湿、防水の向上。
- 表面の劣化防止と保護。
- グリース、オイル、酸の浸透を減少される。
- 凍結による割れを防ぐ。
- カビや藻の発生を防ぐ。
- 表面から内部へと硬化させる。
- 耐熱、耐寒性を向上させる。
- 結氷をとりやすくする。
- コンクリートの弾性を増加させる。
- 無機系建材全般の防水、表面保護硬化がある。
- コンクリートプライマーとして高性能を発揮塗料や外装仕上材の耐久性をます。
- 水分、湿気による塗料や外装仕上材の亀裂、はがれを防ぐ塗料や外装仕上げ材の耐久性をます。
- 合工法など材料に限らず器具の活用により様々な施工が可能。
- ハイドロプルーフHTシリーズはガラスとアルミに対し強固に付着するものでこれあには十分な養生が必要である。
- 本品を使用しても、コンクリート表面の通気性を損なわずHTシリーズ、ヘリテージ、は色相も質感も変化させない
- ハイドロプルーフは各種製品の組み合わせにより様々な効果と表現ができ土木、建築のみならず環境改善と豊富な施工が可能です。
施工方法
下地調整:
- 新設、補修とも塗布面の洗浄をよく行う。塗料やエフロレッセンス、グリースなどワイヤーブラシ、スクレパー等で取り除く。
- 亀裂やジャンカ、穴などは、モルタル、モルタルシーリング材などで充填する。
- ガラス面やアルミ、植物などに付着しないよう養生してください。
※水性塗料や仕上げ材(トップコート)を使用する際は、HT-HX、HT-GTタイプの使用は避けてください。
塗 布:
- 熱源や直射日光のため施工面が50℃以上の場合は水をたっぷりかけて冷やしてから塗布してください。
- ハイドロプルーフ塗布面は、施工状況に応じてはけ、ローラー又はスプレーガンでたっぷり塗布してください。コンプレッサーの圧力は1.5〜2.0kg-cmと低くし何度か繰り返してください。
- 御影石など本磨きの表面は刷毛で塗布した後、ウエスでふき取りながら繰り返してください。
- 作業に際しては、適切な保護具を着用し、衝撃、静電気等火花が発火しないような装備材質を用い直接ふれないよう保護手袋保護眼鏡呼吸用保護具を身につけ作業に当たるように心がけましょう。
後養生:
- HTシリーズはタイル仕上げ面等では表面に結晶が出る場合がありますので、反乾きの時に水に浸したウエス等で十分ふき取ってください。
性能比較と評価
項目 | ハイドロプルーフ (無機質反応・高弾性防水型) |
シリコン系撥水剤 (溶剤型)(シラン/ポリキシロンサン樹脂) |
浸透型防水剤 (合成樹脂併用型)(ポリエステル樹脂) |
構成成分 | ◎無機系化合物 | △有機系化合物 | ○有機系化合物 |
溶媒 | 水 | 石油系溶剤(第2石油類) | 石油系溶剤(第2石油類) |
塩害 | ◎長期的効果 | ×初期効果のみ | △初期効果のみ |
凍害 | ◎長期的効果 | ×初期には表面のみ効果があるが長期的効果はない | △初期には効果的だが長期的効果はない |
防水性 | ◎高弾性の防水剤で長期的効果に優れている | ×初期効果は優秀であるが長期的効果はない | △初期効果は優秀であるが、長期的効果はない |
耐久性 | ◎化学反応により長期的効果がある | ×初期効果のみ耐久性はない | △有機物の経時変化は不可避で耐久性に乏しい |
施工下地 | ◎乾いていても湿っていてもよい | ×乾燥していることが必須条件 | ×適度な湿潤が必須条件 |
作業性 | ◎非常に簡便である | △溶剤を多量に含んでいるため防火等の配慮が必要 | ×工程が2工程以上となり煩雑である |
効果の発現 | △即効性(1日〜14日) | ◎早い | ○比較的遅い |
その他特性 | ◎ヘアークラック、エフロ、カビの発生防止効果がある。組み合わせにより様々な効果。 | ○初期のエフロ防止に効果的である | ○施工面の不陸調整が出来る |